スキンケアは面倒くさいから化粧水だけで済ませてますけど、大丈夫ですか?
男性からのこのような質問は、とても多いです。
確かに美容液や乳液をプラスするのはお金も手間もかかるので、化粧水だけでサッと済ませたくなりますよね。
結論を言うと、良い人とダメな人がいます。しかし、良い人であっても基本的に化粧水のみのスキンケアはおすすめしません。
この記事ではどうして化粧水だけのスキンケアが良くないのか、スキンケアの目的と合わせて解説していきます。
本記事の監修をした専門家 エステサロンオーナー 小宮すみよ
愛知県岡崎市で37年(2020年現在)続く老舗エステ「コミヤエステスパ」のオーナーエステティシャン。メンズのニキビ改善やフェイシャルケアにも長年携わる。肌に優しいコスメ選びも得意。
スキンケアの目的は、肌を保湿すること
スキンケアの目的は、保湿です。保湿をすることで肌のバリア機能が十分に働き、健康でみずみずしい肌がキープできるようになります
しかし
- 加齢
- 季節の変わり目
- 紫外線
- 間違ったスキンケア
などによってバランスが崩れると、バリア機能が十分に働かなくなり老化や肌トラブルにつながります。
つまり、肌自身の力で十分保湿ができなくなるときがやってきます。
そんなときに必要なのが、化粧水を始めとする、スキンケアによる保湿です!
この保湿ですが「肌に水分を与える」ことだけが重要なのではありません。「与えた水分を保持する」ということこそが重要だと言うことをお忘れなく。
バリア機能の仕組み
バリア機能とは読んで字のごとく「肌をバリアするための機能」を意味します。
肌を美しく保つためには、このバリア機能が良好なことが大切です。そして、それをサポートするのがスキンケアというわけです。
私たちの肌は、表面から『表皮』『真皮』『皮下組織』という構造になっています。
バリア機能でもっとも重要な働きをしているのが、表皮の一番上にある『角質層』です。
角質層には角質細胞がびっしりと並んでおり、その間にセラミドや水分があります。これらが肌内部の水分保持力を高め、外部からの刺激を防いでいます。
それがバリア機能と呼ばれるものです。
角質層のセラミドや水分が失われることによりバリア機能が低下すると、乾燥しやすくなったり、紫外線など外部の影響を受けやすくなったりします。
そこでスキンケアをして肌に水分を補うと、角質層の隙間が埋まりバリア機能が高まります。
スキンケアで保湿をする目的は、バリア機能の働きを守ることなのです。
各スキンケアの役割と効果
スキンケアの目的が保湿ということがわかったところで、次は各スキンケアにどんな役割や効果があるのか、確認していきましょう。
クレンジングの役割
クレンジングの役割は、メイクの油分を落とすことです。
メイクが肌に残ったままだと、油分に邪魔をされて化粧水などの保湿効果が半減してしまいます。
また油分が毛穴に詰まることで、毛穴の黒ずみの元になります。
メイクをした日はしっかりとクレンジングをして、肌の油分汚れを落としましょう。
洗顔料の役割
洗顔料の役割は、汗やホコリなど水で取れる汚れを落とすことです。
泡立てネットを使って洗顔料をしっかりと泡立て、ゴシゴシとこすらずに優しく洗いましょう。
化粧水の役割と効果
化粧水の役割は2つあります。1つ目は、肌に水分を与えることです。
しかし化粧水の成分は水分が多く、化粧水だけではすぐに蒸発してしまいます。
化粧水の真の役割は2つ目の肌の調子を整えて、次に使うスキンケアの浸透を促すことです。
肌表面を整えて柔らかくすることで、次に使う乳液や美容液の浸透を良くする効果があります。
美容液の役割と効果
美容液は、スキンケアの中では「スペシャルケア」のカテゴリーに入ります。
美容液は「アンチエイジング」「美白」「シミケア」などそれぞれ目的が異なります。
通常のスキンケア(洗顔料・化粧水・乳液)をしても理想の肌状態に仕上がらない場合や、特別な日に取り入れるアイテムです。
乳液の働きと効果
乳液の役割は肌に水分を与え、さらに含まれる油分により水分の蒸発を防ぐことです。
化粧水はほとんどが水分ですが、乳液は2割程度の油分を含んでいます。
乳液に含まれる油分で肌の表面に膜を貼ることで、化粧水で補った水分の蒸発を防いでくれるのです。
また化粧水が角質までしか浸透しないのに対し、乳液に含まれる油溶性の成分はさらに奥まで浸透しやすい性質があります。
良く浸透させるために、化粧水で肌を整えておくことが大切なのです。
クリームの働きと効果
クリームは乳液よりも油分が多く含まれ、水分の蒸発を防ぐとともに様々な美容成分を補う役割があります。
最も保湿効果の高いスキンケアアイテムと言えます。
結論、化粧水だけのスキンケアでは不十分
各スキンケアの役割や効果を知った上ではもうおわかりかと思いますが、結論として化粧水だけのスキンケアでは不十分です。
化粧水で水分を補給すると、一時的に肌が潤っている感覚を覚えます。しかし30分程度で水分は蒸発し、元の肌状態に戻ってしまうのです。
そこで油分を含む乳液やクリームで肌の表面に膜を貼ることで、水分の蒸発を防ぎ、より長く水分を肌に保持することができるのです。
化粧水だけで良い人・ダメな人
さて、それでもスキンケアを化粧水だけで行いたい場合、化粧水だけで良いのか絶対にダメなのかを判断する必要があります。
それは、肌質で決まります。
肌質は普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌と4つに分けられますが、乾燥肌と混合肌の方はもともとの水分量が少ないため、化粧水だけのスキンケアは特に避けるべきです。
反対に、普通肌と油性肌の方は、肌自身の水分量が多いため、化粧水だけのスキンケアでもOKだと言えます。
しかし忘れてはいけないのが、肌の状態はとても変化しやすいということです。
加齢や紫外線などはもちろん、ストレスや食生活の乱れなど、ちょっとしたことで肌のターンオーバーが乱れます。
「自分は肌の水分量が多いから大丈夫!」というのは思い込みである可能性もあるのです。
また油性肌の場合、乾燥が原因で油分を多く分泌してしまった結果であることもあります。
自己判断をせず、できるだけ化粧水だけのスキンケアは避けた方がベターです。
スキンケアは人それぞれなので、何もしなくても良い人もいれば、化粧水だけで十分な人、クリームだけで調子が良い人もいます。
しかし基本的には「化粧水+乳液」はセットと考え、ベーシックケアとして取り組むことをおすすめします。
【悩み別】男性におすすめスキンケア
化粧水だけのスキンケアでは不十分なことはわかりました。でも、それでも乳液を使いたくない理由があるんです。
その理由は、どれに当てはまりますか?
- 乳液のベタつきが苦手
- 各スキンケアにお金がかかるので嫌
- いろいろ付けるのが手間
乳液を使いたくない理由が1の方は【解決策1】へ、2と3の方は【解決策2】を参考にしてみてください。
【解決策1】サラサラな質感の乳液を使う
「乳液のベタベタする感じが嫌い」という方は、特に男性では多いものです。そんな場合は、ベタつかない乳液を使ってみましょう。
え、そんなのある??
化粧水のようにサラサラな質感の乳液は、少ないですがちゃんとありますよ。薬局などで購入する場合は「さっぱりタイプ」を選ぶと、付けた感じが軽い乳液に出会えます。
私のおすすめはこちら。
SKIN Xのスキンケアシリーズです。
左から洗顔料、保湿ローション、乳液(お試しミニサイズ)です。
乳液は化粧水と同じくらいサラサラな質感でベタつき皆無ですが、クリーム並みの保湿力でしっとり感が長続きします。
レビュー記事はこちらから。
【解決策2】オールインワンタイプのスキンケアを使う
スキンケアにお金と時間をかけたくない!という場合には、オールインワンタイプのスキンケアがおすすめです。
オールインワンは化粧水・美容液・乳液・クリームの役割を1本にまとめたアイテムです。
- スキンケアの時間や手間を省ける
- 肌に触れる回数が少なく、肌への負担が少ない
- トータルコストが安い
このようなメリットがあります。
オールインワンについては以下の記事にまとめているので、参考にしてくださいね。
▼参考記事
まとめ
スキンケアの目的が「保湿」であることを踏まえると、化粧水だけのケアはおすすめできません。
季節や紫外線など環境によっても肌のターンオーバーが乱れることはあるので、なるべく化粧水には乳液をプラスするようにしてくださいね。